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災害福祉支援

高知県経営協では、災害の初動段階から応急・復旧段階において、地域社会における社会福祉法人としての使命を全うするため、会員法人、高知県社会福祉法人経営青年会、中国・四国ブロック協議会、全国社会福祉法人経営者協議会と連携・協働して、「支援が必要な全ての人々ならびに被災した社会福祉法人」を対象として支援を行います。

 

災害福祉支援活動は、災害発生後の時間経過により内容が変化し、高知県経営協・会員法人・高知県経営青年会・青年会員それぞれが担う役割も時間経過により異なってくると考えられます。
そこで、高知県経営協では災害発生後の時間経過を以下の3段階に区分しています。

  • ① 第1段階(緊急期、救助・救命段階、災害発生~72時間)
  • ② 第2段階(応急期、ライフライン断絶、72時間~1週間)
  • ③ 第3段階(復旧期、ライフライン回復、1週間~数か月)

高知県経営協・高知県経営青年会では、以下のように災害福祉支援活動を実施します。

災害対応チーム

高知県内で、震度6弱以上の地震・津波災害や、豪雨・大規模土砂災害が発生したときには、会長を長とする高知県経営協「災害対応チーム」を設置して、対応にあたります。
災害対応チームは、以下の(1)~(4)の対応を実施します。

 

(1)先遣隊

会員法人の被災状況を調査し、支援の必要性をアセスメントするため、先遣隊を派遣します。
先遣隊の活動はつぎのとおりです。

  • ① 派遣基準
    震度6弱以上の地震・津波災害、豪雨及び大規模土砂災害が発生した地域には、安全を確保したうえで、応援要請を待つことなく自動的に派遣します(空振りは許されるが、見逃しは許されない)。
  • ② 組織
    先遣隊は高知県経営協・高知県経営青年会会員で構成し、必ず2名以上を派遣します。
    先遣隊の隊員名簿は年1回作成し、隊員の変更があるたびに随時更新します。
  • ③ 補償
    先遣隊の活動中の事故等によるけがの場合には、労災保険が適用されますが、高知県経営協では傷害保険にも加入します。
  • ④ 高知県経営青年会の組織強化
    災害時に先遣隊となる高知県経営青年会の組織力を強化するため、青年会への入会を促進します。会員法人は1名以上の役職員入会を目指します。

(2)被災状況の確認

会員法人の被災状況を把握して、支援活動を展開するため、被災状況の情報を集約します。
被災状況の確認には、様式1様式2を用います。

 

(3)被災会員法人等の応援

  • ① 応援職員・物資の依頼
    被災会員法人から応援職員・物資を依頼するときには、様式3を用います。
  • ② 応援方法
    応援職員の派遣・物資の提供等には資金が必要になるため、高知県経営協予算に「災害福祉支援費」を設けます。また、全国経営協、中国・四国ブロック協議会と連携して応援を行います。
  • ③ 「災害時における相互応援に関する協定書(平成25年6月17日付け)」に基づく応援
    被災会員法人・高知県経営協で応援が難しい場合には、上記協定第3条に基づき高知県に応援を要請します。
    応援は「高知県内の社会福祉施設における災害時相互応援活動マニュアル(令和2年3月)」により実施します。

(4)拠点の設置

応援物資の集積拠点および応援職員の参集拠点となる拠点を設置します。
拠点となる場所は、被害想定や交通アクセスを考慮して、会員法人が協力して、令和3年度中に場所をあらかじめ定めます。発災時に実際に開設するときには、その場所の被災状況を確認して設置します。

 

○拠点の役割と機能

  役 割 機 能

1次拠点
(1か所)

  • ① 県内外から被災会員法人への応援物資の集積
  • ② 2次拠点への配送
  • ① 物資保管スペース
  • ② 荷さばきスペース
  • ③ 駐車場

2次拠点
(複数か所)

  • ① 被災会員法人への応援物資の集積・配布・配送
  • ② 応援職員の参集拠点
  • ① 物資保管スペース
  • ② 荷さばきスペース
  • ③ 応援職員待機スペース
  • ④ 駐車場

 

事前対策

高知県経営協・高知県経営青年会では、災害時の活動を実施するために、以下の(1)~(3)の事前対策を行います。

 

(1)BCP(事業継続計画)策定・BCM(事業継続マネジメント)実施の促進

会員法人が災害時に事業を継続・早期復旧し、社会福祉法人として地域社会における使命を全うし、また令和3年度介護報酬・障害福祉サービス等報酬改定に対応するため、研修・訓練を開催して、BCP(事業継続計画)の策定やBCM(事業継続マネジメント)の実施を促進します。

  • 【BCP】自然災害、感染症大流行、大火などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを決めておく計画。
  • 【BCM】BCPの策定、訓練、緊急連絡網の整備、資機材の点検、備蓄品の在庫管理、相互応援協定の締結、BCPの改訂等の、緊急事態の事業継続に備えた一連の取り組み。

(2)「災害福祉支援委員会」の設置

高知県経営協・高知県経営青年会の災害対応の進捗管理を行い、本マニュアルに定める災害対応・事前対策を実行し、「災害福祉支援ネットワーク」の取り組みを進めるため、「災害福祉支援委員会」を設置します。
災害福祉支援委員会の委員は、高知県経営協理事会で選任します。

 

(3)災害対応マニュアルの見直し

被災会員法人の応援の仕組みづくりなどの進捗状況や、「災害福祉支援ネットワーク」の取り組み内容を反映するため、災害対応マニュアルは年1回見直します。

 

災害派遣福祉チーム(DWAT=Disaster Welfare Assistance Team)

一般避難所等における被災者の支援活動は、社会福祉法人の社会的使命として、また地域における公益的な取り組みとして求められている活動です。社会福祉法人職員としての専門性を活かし、被災者の支援に取り組みます。

 

平成30年5月31日付け厚生労働省社会・援護局長通知「災害時の福祉支援体制の整備について」では、各都道府県において、一般避難所で災害時要配慮者に対する福祉支援を行う「災害派遣福祉チーム」を組成するとともに、都道府県、社会福祉協議会や社会福祉施設等関係団体などの官民協働による「災害福祉支援ネットワーク」を構成するものとしています。

 

また、全国経営協では、平成30年5月に「全国経営協災害支援基本方針」を策定し、「地域社会における社会福祉法人としての使命を全うするため、会員法人・都道府県経営協・ブロック協議会・全国経営協が連携協働して、支援が必要な全ての人々ならびに被災した社会福祉法人を対象とした支援を行う」ことを、基本的な考え方としました。

 

そして、高知県では、令和2年9月に「高知県災害福祉支援ネットワーク会議」が設置され、令和2年12月には「高知県災害派遣福祉チーム」が発足しました。 高知県経営協では、「高知県災害派遣福祉チーム」の活動に協力するため、以下の取組を実施します。

  • ① 「高知県災害福祉支援ネットワーク会議」への参画
  • ② 「高知県災害派遣福祉チーム」養成研修・スキルアップ研修・リーダー研修等への職員派遣
  • ③ 災害時の「高知県災害派遣福祉チーム」への職員派遣
  • 【災害福祉支援ネットワーク】高齢者や障害者、子ども、傷病者といった一般避難所を中心とした地域における災害時要配慮者の福祉ニーズに的確に対応するため、都道府県、社会福祉協議会、社会福祉施設等関係団体などの官民協働により構築される支援体制。
  • 【災害派遣福祉チーム】一般避難所において、災害時要配慮者に対し、次のような福祉的支援を実施する。①他の福祉避難所への誘導、②アセスメント、③食事、トイレ介助等の日常生活上の支援、④相談支援、⑤避難所内の環境整備、⑥災害福祉支援ネットワーク本部、都道府県との連絡調整、活動の報告 等。災害派遣福祉チームは、都道府県が組成し、被災地に派遣されて活動する。